「…ごめん………ごめんね榊、…ごめん」 苦い 苦しそうに顔を歪めたが、私に見えないように背けた。 そして一瞬、ポンと私の頭に手を置いて、無言で立ち去った。 榊… ありがとう… 見えなくなった背中を確認して、その場にしゃがみこんだ。 「ぅっ…ふ……」 やっぱ泣くの我慢なんて出来ない… 私は弱い… 榊はこんな私を知ってて好きでいてくれたのかな… 私、幸せものだ。 「うーー…っ」 上を向いて涙を止めようとしても、余計に雨があたるだけ。 自分の中にある罪悪感を雨で洗い流してしまいたかった。