「早く家入れよ」
結局、家まで送ってもらった。
よくみれば家に電気が付いていない。
だからと言う訳でもないが、榊にあっさりと背中を向けられる気分じゃなかった。
今日一日一緒にいて、解ったのは
榊がまだ私を好きでいてくれてたこと。
なんか、言わなきゃいけない。
それはわかってるけど、どう言えばいいのか…
だいたい、一方的に片思いしとくから!
的な感じで言ってたから、私から言うのもなぁ…。
悩んで悩んでその場にとどまっていた。
「早く…入れよ」
「あ…うん、…」
心なしか、見えた榊の顔は不機嫌そうな…寂しそうな顔だった。
私が榊に背中を向けた瞬間、
ポタッ…
突然おでこに水滴が落ちてきた。
「あ…雨降ってき…」
傘持ってる?
って聞こうと振り返ったと同時に、手を強く握られた。
「…俺……じゃ、やっぱ駄目か?」
下に向けていた視線が私をとらえる。
その真っ直ぐな視線からは、何を言ってるかなんて直ぐ理解できる。
私には祐也さんしか考えられない。
「…ごめん。」
ただ謝るしか出来なかった。
榊と付き合える人は幸せだと思う。
祐也さんに出会ってなかったら、榊と付き合ってたかもしれない。
でも、こんなこと言って期待させる方が
よっぽど最低だ。

