そう言って、部屋に持ってきた温かい紅茶を私に渡してくれた。
「榊〜、あんたそんなこと言って、ミヒロを自分の部屋に置いときたいだけなんじゃないの?」
「ぐっ…ゴホッ!!ゴホッゲホ!!」
口にした紅茶が気管に入ってむせる私。
「なっ!んなわけねーだろがっ!!はったりかましてんじゃねー!!!」
榊は顔を真っ赤にして大声を出した。
「ケホ…え、えっ!?ノン………ええぇっ?」
榊の好きな人が私って、知ってんの?
「あ、あぁー…実は…」
明後日の方向を向きながら言うノン。
なーんだ…
私と榊しか知らない事だと思ってた。
呆気にとられていると、横で榊が咳払いをした。
「あー、はいはい。邪魔者は退散しまーす」
榊に向かってそう言ったノンは、部屋を出ていってしまった。
「え?はぁ?…おいっ!今のはそーゆー意味じゃねぇッ!」
榊は顔を真っ赤にして慌てている。
それと同じく私も慌てる。
好きではないけど、想ってくれてる人と2人きりなんて、心臓もたない…。
「あ、あのー…」
結局2人になってしまった。
沈黙を避けたい私は榊に話しかけた。
「な、なんだよ?」
榊もビックリしたのか、目が見開かれてる。
あぁ、そんな身構えなくてもたいした話じゃないのに…。

