to Home!!

そのまま部屋に戻ればよかったものの、なんだか祐也さんの側を離れたくなくて、彼の寝ているソファーにもたれて寝た。



祐也さんの中に入れるかもしれない、と淡い期待を抱きながら。



─…



翌朝。


「…………ろ、……てる…?」




かすれて聞こえる声。


私は夢の中で誰かに頭を撫でてもらっていた。

気持ちよくて、吸い込まれそうだった。




「…ん………」



意識が戻りかけの私はようやく、うっすらと目を開く。



すると祐也さんの顔が視界いっぱいに飛び込んできた。


「………あ」


祐也さんも固まったまま声を出す。


私の頭に祐也さんの手がのっているのがわかり、頭を撫でられていたのは夢ではないと分かった。


が、なぜかもう片方の手の親指が私の唇に触れている。

キスできそうなくらいの距離。



もうどういう状況か分からなくて、無表情のまま頭はパニックだった。



祐也さんは私が起きたに気付き、パッと身を離した。


「髪の毛食べてたからとったんだよ、ね?」



ね?…っておちゃらけて言っている割には、顔が赤い。




私は無言のまま祐也さんを見つめていた。


その視線に耐えれなくなったのか、「着替えてくるね」と言ってそそくさと離れていった。



それを見送る私も真っ赤。


何…祐也さん、ほんとに髪の毛取っただけ…?


あまりにも不自然な態度から、怪しいと思ってしまう。


「…変なの」




にやける顔を押さえながら、私も部屋に戻り着替えることにした。