to Home!!

「きらいっ…ていうか、イヤ?」

それって、嫌いとは違うの?


曖昧に受け止めつつ、また違う話を出した。




話ながら歩いていると、ふいに立ち止まる祐也さん。

「祐也さん?どうし…」


後ろにいる彼を振り返った。



立ち並ぶお店の奥をずっと眺めてる。


気になったから、私も祐也さんの視線を追った。


するとそこで見たのは、誰かと腕を組んでいる直子さんだった。


隣の人は体格と服装から男の人だと分かるが、死角で肩から半分までしか見えない。


顔見えない…。


直子さん、何で?
彼氏いるの?

てっきりいないものだと思っていた。


だから、祐也さんに会いに来たりしてるんだと思っていた。




ふと隣を見ると、放心したように動かない祐也さん。
きっと知らなかったんだろう。



なにも読み取れない表情を見て、ズキンと胸が痛む。
でも祐也さんは私よりもっと苦しいよね…。




こんなとき、どうすれば…。



カシャン!

すると突然私のポケットからケータイが落ちた。


浅くポケットに入れていたみたいだ。


や、やば…




その音に反応して、祐也さんは私に目を向ける。

私は思わず目を逸らそうとした。


また祐也さんの傷ついた顔を見たくなかったから。

でも、違った。


「未裕、行こっか」



ふわりと私に笑ったんだ。


「…え……」


びっくりして間抜けな声が出た。



そんな私を見て、祐也さんはふわっとまた笑った。