意外にも、私と榊の間には言い表せない…

和める空気が流れているような感じがする。



「あのね…私は……榊のこと…その、ホントに知り合えて、よかったと思ってる。感謝してることもある。…でも…」


榊は続きを言おうとした私の言葉を遮った。

《ならさ…!なら…まだ、まだ俺にもチャンスあんの…?》



え…そうきたか…。


「それは…」


ない。と言うつもりだった。


でも…祐也さんを思ったところで、私は直子さんに勝る人になれるのだろうか?


…なれないよね、きっと。



そう思ってしまったのだ。

なら、榊といたほうが楽なんじゃないか…って。


そっちの方が、自分は笑えてるんじゃないかって。



「……」


ただ、無責任な事はいえない。


だから黙った。


するとたえられなくなったのか、榊は力強くこう言った。



《や、やっぱ確認とかやめとこ。俺らしくないよな…勝手に想っとく!だから口出しすんなよ!!》


「…は、はい?」


《いいな!俺がお前に好きと言おうが何と言おうが、俺の勝手だかんな!!》


「ぇ…ちょっ……」


ブチ…ツー…ツー…



き、切れた…。


何…今の……何で?

無茶苦茶言ってたよ?




私、好きって言われても口出しできないってことは返事返せないじゃん!!