「お前、ホント榊の何?」

「ぇ…は?」


こいつは言葉が足りなさすぎて、何を伝えたいのか分からん。



くぁ…イライラしてきた…


「いっつもあいつ傷つけてよ…、最低だな」


「はぁ?意味わかんないし。私、そんな榊傷つけてんの?」


「傷つけてるっつってんだろ!だからさっきお前に冷たかったんだろーが!」

急に声のボリュームが上がった小田切純は、今にも私に掴みかかりそう。


周りは騒いでいるためか、私たちの罵声に気づいてない。

ノンも今は違う友達と話している。



小田切純は榊と仲悪いじゃん!!

ワケわかんないし!




「じゃあ、今から謝ってくるし!!だいたい何で小田切純はいつも喧嘩ごしなわけ?」


「あいつに好かれてるお前が気に食わねぇー」


「…」


小田切純に返事も返さず私も教室を出た。



何、あいつ?


榊をよく見てるし…、やたら気にかけてるし…、ヤキモチ妬いてるみたいだったし…




まるで榊の事好きみたい…。




ありえないことを考えながら、ずんずんと廊下を進む。