「ミヒロッ…やったねー!!渡せたじゃん!」

「うわっ、ノン!?戻ってたんじゃなかったの!??」


「ごめん、気になっちゃってさ…」



少しニヤニヤしながら言うノン。


それを見ると自然に私もニヤけてしまう。



「あ、ニヤけちゃってさぁー」


「だ、だってノンがニヤけるからじゃん」


「だって2人がなんかお似合いってゆうかさぁ…」

「ちょ、そーゆーこと言われたら調子のっちゃうから!」


「あはは!かわいー、ミヒロ!」



女子高生ならよくやりそうな会話。


こんな些細な会話でほっぺは燃えるように熱くなってしまう。


私にとっての祐也さんはこれ程まで大きい存在。





そう思った瞬時に









会いたい。






さっき会ったばっかなのにさぁ…。


祐也さんならまだ近くにいるかな…




まぁ、また追いかけちゃうとさすがに嫌がらせかな…。




─…

「ただいまー」

「おかえりー」



教室で打ち上げ準備をしていた。

皆に温かい声で迎えられる。



それがまたテンションを上げる。



始まった打ち上げではあまり話さない人とも言葉をかわす。



「榊ーっ!おつかれー!」


ノリにのった私は榊に話しかけた。


が、榊は反応が悪すぎだった。




「………ぉぅ」



「声ちっさいなぁー!」


笑ながら言ったのだが…



「…うっせぇな……」





「え…」




ビックリして絶句してしまった。


お、怒ってるの?



「ごめん、なんか気に触ること言った?」


「…別に」



そう言うと無言で教室からいなくなった。




首をかしげて榊を見ていた私の背中を誰かがたたく。


ぱしっ




「いたっ!?誰?」


「俺」


「…」


…小田切純。