to Home!!

そして順調に準備が進み、学祭当日。



「いってきます!」


「あれ、ミヒロ今日早いね?」

「うん、学祭直前の準備があるから」


「そっか。頑張ってな?」


「…うん、ありがとぅ…」



近寄ってきた祐也さんにくしゃくしゃと頭を撫でられ、照れて声が小さくなった。




これ…大好き。





「じゃあね!」

「ん」




しっかり手をふって、家を出た。




─…



「ミヒロー、今日こそ練習の成果発揮しなよ!」

「う、うん」



あの夜、祐也さんに頼めなかった私はノンに連絡して、焼きそばを練習した。

今は3人でお昼まで鉄板の前に立っている。





「おい、矢野!今日は俺の激辛ソース入り焼きそば食わしてやるよ!」



「いらん!!」


「この1週間毎日焼きそばだったから、私達食べるきないのー」


そう、私達はずーっとお昼、調理室で焼きそばを作っては食べての繰り返しだった。



匂いだけで吐きそうだし…。



「あの…二人前お願いします」

「「「はい!」」」



クラスメートが私達のやり取りに気をくばりながら、注文が入ってきたことを知らせてくれた。



それから2時間たって店番をしていたが、11時半だと言うこともあって行列ができ混んでいた。



「ふぅ…」


「ノン、疲れた?ちょっと休んだら?」


「うん、ありがと」



ノンはそばにあったパイプ椅子に腰掛け、うちわで扇いでいる。



「おらおら!矢野、早く詰めろよ!」



「わかってるっつーの!うるさいなー!!」


私達のやり取りの声がでかいのか、並んでいるお客さんもクスクスと笑っている。



普通なら恥ずかしくなるはずなんだけど、今回は不思議と楽しくて、2人で笑ながら作っていった。