to Home!!

ん?

起きてる…?


やっちゃいけないのは解ってたけど、聞き耳を立てて聞く体勢をとった。


ごめん、祐也さん!



ぎゅっと目を瞑り、耳に神経を集中させる。




「…俺もその日やっぱ空ける。あぁ、…心配しなくても絶対いくから」


…行く?

相手の人誰?


「なんだよ…さっき急にメールでお前から誘ってきたんだろ?………おぅ、わかった」



女の人…?

いやいや、まさか!!


あ…でも直子さんなら…。
でもこの間「ごめんね…」って、言ってなかった?



ぐるぐる考えていたが、ある一言で誰からの電話か、わかった気がした。


「んじゃ、16日な」

…え………1…6?


さっき私が誘った時、入ってた予定ってこれ?

だからケータイを見て機嫌がよかったの?


直子さんが祐也さんに言ったごめんは何のごめん立ったんだろ…?


ああー、直子さんとしか思えない!



ケータイを閉じて、こちらに近づいてくる音が聞こえたから、私は慌ててソファーに座った。



ガチャ…

「あれ?起きてたの?」

「う、うん…。あのさ、私…」


いきなり言うか言わないか迷った。


焼きそば作るの手伝ってって…


でも!


教えてー

とか、

味見くらいでいいから!

なんて言えない。





「やっ…やっぱりいーや!お、おやすみっ!!」



しゃべり方が可笑しいまま、私は自分の部屋に飛び込むように入り、ドアを閉めた。




多分、祐也さんは唖然としてるんだろうけど…。




何故か心臓がバクバクする。


「悪い行いをするのは心臓にわるいなー…」



そう痛感した夜だった。