「…っ……」
首らへんに力を入れて、泣いてる声が一切もれないようにした。
ガチャ…
その間に祐也さんは黙ったまま家の中に入っていってしまった。
…やっちゃった…。
私…嫌われた
「ぅ…えっ…ーっ!!」
泣き出してしまうと止まらなくなった。
─…
落ち着いてから家に入ったら、リビングに祐也さんがいた。
「ぁ…」
謝んなきゃ…謝れ、謝れ
そう思ってるのに、なかなか声がでない。
すると私が言うよりも先に、祐也さんが口を開いた。
「何であんなことしたの?」
ゾワッとするほど冷たい声だった。
「ご…ごめんなさ」
「謝れって言ってんじゃない。理由聞いてんだよ」
「…そ…れは…」
こんな場面で好きなんて伝えられない。
…でも、もしこのまま私が祐也さんに追い出されたら…
一生言えないままなのかな…
なら、言った方がいい…
いや、私は祐也さんの邪魔をしといて、好きを伝えれるような人間じゃないな。
「…」
何も言わない私に振り向くこともなく、祐也さんは自分の部屋に入った。
私…バカだなぁ…。
こうなるの目に見えてたのに。
もう泣きつかれて泣けない。
その代わり自嘲気味の笑みが自分の顔に表れてるのが分かった。
もう泣けないから、笑うことしか出来なかった。

