to Home!!

何故かそれと一緒に涙も止まった。



「みひろちゃん…!?」


直子さんは目を見開いて、私を見ていた。




「あ…ぁ、の…ご、ごめんなさい…私…」



テンパって何を言いたいのか自分でも分からない。





ただ、必死に謝った。

必死に守った。


祐也さんのこと、取られたくなくて。





最低…


私は最低なことをした。





足がガタガタ震える。

直子さんはしばらく押し黙っていた。


そしてようやく開いた口から出たのは、思いもよらない言葉だった。






「…私こそごめんね。祐也も………ごめん」





え…



私は自分の足元を見ながら、壊れたロボットみたいに動くことを忘れた。




夜風が私たちの間をすり抜けるのと同時に、直子さんはまた背を向けて走っていってしまった。



「………」




カシャン…


風で揺れた門の音でハッとする。



「…………」



今、私の後ろに祐也さんがいる。


わからない。

今、どんな顔でいるのか。
私に対して憎しみがうまれているのか。

邪魔をされて、どれだけ悔しい思いをしているのか。


わからない。


だだ、祐也さんは息を止めてるかのように、黙ったまま突っ立っている。


それだけは分かった。