いくら少し暖かくなった といっても まだ2月半ば。 しかも 雪の降る夜。 あんな格好をしていては みんな変な奴だと思い、 誰しも彼女を見てしまうだろう。 だが、 俺の横を通って行った人も、 彼女のいる公園を横切った人も、 誰も 目に留めなかった。 目に留めるどころか、 まるで 彼女が実在しないかのように 通り過ぎていった。