まだボールを抱えてるキョロ介が、目を丸くする。
ゆっくりとボールをドリブルさせながらあたしは答えた。
「あたしさ、シュート入る日と入らない日があんだよね。
んで、哲先輩に『そういう日にはディフェンスにまわったら?』っていうアドバイス聞いてさぁー。
そしたら、肩の荷が下りたっつーか。
楽になったんだよね。」
あたしはニッと笑って見せた後、フリースローをしてみた。
パスッーーー・・・
うん、ホントに調子いいみたい。
ボールをそっと抱えて振り返ると、キョロ介はちっちゃい子供みたいに笑ってドリブルし始めた。
遠めの位置からフリースローをする気らしい。
・・・ちょっと哲先輩の受け売りしてみよっかな。
少しだけ近寄って、キョロ介に一言だけ伝えた。
「ボールをいつもより高く上げてみて。」
キョロ介は目だけをこっちに向けて、力強く頷いた。
膝を深く曲げ、高めに跳ぶ。
キョロ介の手から離れたボールは、
高く綺麗な孤を描き、
ゴールに
『ーーーバスッ』
吸い込まれた。
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