「よし!
練習再開するぞー。」
『はい。』と返事するメンバーに対して、哲先輩だけは違かった。
「えー!
もうやんのー?」
汗を拭きながら文句を言う。
座ったままの哲先輩に、キャプテンは溜め息をついた。
「いーから、やるの。」
そのまま自分のタオルを洗い物籠に入れて、哲先輩の腕をぐいっと上に持ち上げる。
皆も洗い物籠にタオルを放り込んだ。
「わかった、わかったよ!
やるから!!
あ、これよろしく。」
と、哲先輩はタオルを私に投げる。
これ、いつものこと。
そのたびに、ファンの卑劣な叫びをあたしは聞くんだけど。
次に練習が終わるのはしばらく後。
だからあたしは、皆のそれぞれ名前入りのタオルをハンガーにかけ、匂い消しのスプレーをかけて干す。
他のマネージャーと一緒に。
「これ、一番ヤな仕事だよねー。」
「ねー、羨ましがられてもね。」
って言っても、マネはあたしを合わせて2人。
あたしの友達のさとちゃん。
篠崎聡子(しのざき さとこ)って言って、ちょっと、ぬけてる。
・・・あ。あたしほどじゃないか。
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