私は見つめる。 フェンスの向こうにたたずむ死神を。 「……何やってんの……」 無意識のうちに声を出していた。 ……気付かれないように近寄ろうと思ったのに。 死神はゆっくりと私の方に視線を向ける。 その瞳はもう何も映していない。 言葉を失っている自分がいることに気が付く。