「よく君のことを話していたよ。 手紙をもらっても、電話で話してもね」 「そうですか」 そんなに印象深い子だったのか、あたしは。 「朝倉 美玲ちゃんね…?」 大きな目を赤く腫らした母親に、立派なお医者様の面影は覗けない。 優里の母親。 顔の感じがとても似ている。 優里は母親似だったのか。 「あの子、何か悩んでたりしてた……? あなたなら何か知ってるんじゃない? 教えて!どうして優里が死ななくちゃいけなかったの!?」 母親はそのまま崩れるように嗚咽を上げた。