電柱の下に、小さな人影を見つける。 僕は何故か、それが彼女だと即座にわかった。 「美玲ちゃん…」 彼女は、虚ろな瞳で遠くを見つめていた。 その目には何が映っているのか… 彼女特有の無表情からは読み取れない。 「美玲ちゃん、風邪ひくよ」 僕の声にも気付かないようだ。 ただただ真っすぐ、前を見つめてる。