初夏の少し湿っぽい風があたしの髪をなびかせる。






「久しぶりに来たねぇ、ここ」





「そうか?」





「2年の時以来だよ」





「んなの忘れた」





黒崎は長い前髪を鬱陶しそうにかき上げて言う。