わずかに見える指先は、もう力も入らなくて。





あぁ、これが死なんだなって実感できる。






でもこれで楽になれる。





自然と笑みがこぼれた。





…こんなところで人生最大の難関だった笑顔を克服できるなんてねぇ…





幸か不幸か。




あたしはまだ生きているらしい。





痛みは感じない。





最後に誰かが叫んでいるのを聞いた。