俺は心優に覆い被さり
少しだけ首に掛かった
髪の毛を払い除ける


そして俺は──・・・

俺は静かに心優の肌に
唇を近付けた



「目・・・覚ますんじゃねぇぞ」



軽く静かに言い放つ

それは願い──



──・・・トンっ


軽く触れた


そしてなぞるように


芹澤の余韻を消し去るように


拭い去るように・・・


丹念に押し付ける


消えてしまえばいい──



芹澤が触れた感覚なんて

そんな過去なんて

忘れ去ればいい



「──・・・あッ・・・」


心優が声をあげた



ハっと我に返る


俺は衝動を抑え込んだ







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