翼が居なくなった家に
あたしは1人ぽつんとしていた


物音1つしない家の中は
やけに寂しくて

あたしの中の恐怖を掻き立てた



────怖い


目を閉じると鮮明に思い出す

あの・・・芹澤の顔

卑猥な言葉の数々

忌まわしい行為


走馬灯のように何度も何度も


あたしの頭の中であの光景が
リプレイされ身体が震えた


恐怖に屈するのは嫌


怖じ気付いたりしたくないよ



でもあたしの意思通りに動いてくれない


頑固な身体


全身に虫酸が走る──






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