「……わかってんのかー?」
座ってるあたしに目線を合わせるために先生はしゃがむ。
顔が、近い。
先生の息が……首にかかってる。
それほど近い距離。
「わかってる、よ……」
「……もう少し早く来てやれなくて、ゴメンな」
「大丈夫!へっちゃらへっちゃらっ!」
あたしは冗談めかして言うけど、先生はかなり……いや、いつも以上に真剣で。
そして、あたしの中にいつもと違うドキドキが生まれた。
……なんで?
なに、このドキドキは……。
「……次なんかあったら、連絡して」
そう言って先生は、あたしの手に小さなメモを握らせた。
……先生の、アドレス?
「先生……これ……」
「……他のヤツらには、内緒な」
