「ちっ……違います!」
西原さんは、顔を真っ赤にして言う。
……本当に、好きなんだ。
「じゃあ早く授業に行けっ」
「は、はいっ……」
そうどもった返事をすると、西原さんは教室から出て行ってしまった。
――――先生は気付いてる?
西原さんが……先生を好きなこと。
「……先せ」
「大丈夫か?」
「え……」
先生は、床に散らかっている紙くずをしゃがんで拾っていた。
そして、拾い終わると……あたしを椅子に座らせた。
「ったく……危ない。もう少しで、殴られるとこだったんだぞ……。女が顔に傷なんか作っちゃいけねえよ」
「う……ん」
なんか先生、いつもと違うよ。
なんか……違う。
