真美は先生のことを、いっつも『あんなヤツ』とか言ってるけど……本当は嫌いじゃないんだろうな。
授業だってちゃんと受けてるし、ね。
「あの格好良さは反則並なんですーっ」
「あーっそ」
「冷たいってばあ!」
あー、テスト……何点かな?
100点くらいの手応えは、あった。
まあ、ただの“手応え”なんだけど。
「あーあ……本当に理科嫌い!」
「あたしももし担当が先生じゃなかったら嫌いーっ!」
あたしたちは顔を見合わせて笑った。
キャハハ、と大きな声で。
そういえば――……
「そういえばね、理科の実験のときにあたしが持ってた試験管にヒビが入ってたんだよね」
「ああ、あのケガしたとき?」
「うん。多分班の人だと思うんだけど」
なんか笑ってたし。
本当……あたし何かしたっけ?
