少し馬鹿にするような微笑みをあたしに向けると、先生の目は腕時計に移ってしまった。
少し残念に感じていると、先生は立ち上がって
「はい、終了」
と、テスト終了の合図をした。
「後ろから集めてー」
あたしは廊下側の一番後ろの席。
だから、後ろからテストを集める。
全てを集め終えて先生に渡すと、先生は笑顔であたしに問う。
「できたか?」
「うん!100点、期待してて!」
「はははっ。俺のテストはそんなに甘くないぞ」
意地悪な顔で言う先生だけど……あたしは知ってるよ。
信じてくれてるんでしょ?
だって、先生は優しいもん。
「ほら、席に戻れ」
「はーい」
