「よっし!アドレス、ゲットするぞぉ」
「……頑張れよ。でも無理はすんな」
そう言った先生のポケットからは、小さいペットボトルのコーラが出てきた。
先生はそのコーラをあたしの机の上に置いて、教室から出て行ってしまった。
ペットボトルには小さな青色の付箋。
『満点、愛川なら出来るよ』
そう、書かれていた。
少しずつ、滲んでゆく視界。
「だ……い、す……きっ……」
嬉しくて嬉しくて涙が止まらない。
先生が、また好きになった。
でもこれからあたしは、もっともっと先生を大好きになるんだと思う。
あたしは付箋に涙が染みないように、綺麗に剥がして手帳に貼った。
一番の、宝物。
あたしだけの、宝物。
