「……ヒビ?」 あたしがそう呟くと、班員の顔色が変わった。 ……なるほどね。 ヒビ、入ってたんだね。 いや……入れたんだね、君たちが。 あたしはもうよくわからない気持ちになって、班員たちを責める気にもならなかった。 先生にチクる気にも、なれなかった。 「あっ!おまっ……愛川!血!血出てる!大丈夫か?痛くない?」 先生に言われてはっとした。 あたしの指先からは、赤い血が垂れていた。 ……今更ながら、血が苦手なあたし。 「い……いや……っ」 体が震える。 血が、怖くて仕方がない。