幸せのかたち




俺は乃愛を悲しませて
傷つけてしまう。

こんな俺より

乃愛が本当に心から好きな奴と

大切な奴の隣で笑った方が良い。



だから俺は

お前の幸せを願うよ・・・。




『・・・ケーキありがとな。帰ったら一番に食べるわ!』


多分・・・今年で最後だと思うから・・・。




『俺、行くな??』

乃愛は俯いたまま何も言わない。


『・・・幸せになれよ。
・・・・・・一番好きな奴の隣で。』




乃愛の動きが止まった気がした。



『じゃあな。また明日な。』

俺は背を向けて歩き出した。



・・・ちゃんと笑えてたかな、俺...。


中庭を出ようとしたとき

『だからバカって言ってんの・・・!』