『・・・・はい。』
可愛くラッピングされた箱が目の前に差し出された。
『功の。ちゃんと作ったから・・・。』
顔を背けたまま俺に差し出す乃愛の表情がわからなかった。
『あ・・・さんきゅ。』
もっと喜んで受け取りゃいいのにさ・・・
なにやってんだよ、俺。
でも身体は素直で口元が緩む。
『べつに・・・いらなかったら捨ててもいいから。』
乃愛の寂しそうな、だけど力のこもった声が聞こえた。
『・・・は?』
乃愛のケーキをいらない??
『お前なに言ってんの?』
誰よりも心待ちにしてた、この俺が??
『・・・迷惑なんでしょ...あたしのこと。』


