幸せのかたち




『・・・なんだよ、いきなり・・・。』

それしか言うことが無かった。
それしか言う余裕が無かった。


『・・・ばかっっ!!』


乃愛は背を向けたまま急に言った。


『はっ?』

『何で先帰っちゃうの?!待っててってメールしたじゃん!』

『えっ??!』

俺は慌てて鞄の中からケータイを取り出す。


そこには一通のメール。

【放課後中庭に来て?
絶対だよ! 無視とか許さないからね!!】


うわ・・・・
鞄の中見たくなくて、携帯も入れっぱなしだったの忘れてた・・・。


『わ、悪い!携帯見てなくて・・・』

『だからバカだって言ってんじゃん!!』


うわぁ・・・こいつ怒ってんな・・・


『だからごめんって・・・』

『それに何さ!そのチョコの量!!
甘いの嫌いなくせに貰っちゃって!
あーモテモテで羨ましいですねー!!』


こいつも海斗と同じこと言いやがる。

つか・・・なんでそこも怒られんの?俺。