ふと小さい時を思い出す。
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あれは、五歳くらいの時だったかな。
あたしは近所のおばさんの家の犬と遊ぶのが大好きだった。
その犬の名前は「ジョン」。
あたしはいつもジョンに話し掛けてた。
『ねぇねぇジョン。明日は、た・な・ば・たっていう日なんだって。』
『七夕って知ってる??短冊にね、お願いを書いて笹の葉につるすとね、織姫と彦星が願いを叶えてくれるんだってさ!!』
「ワン」
『ジョンは何お願いするの??お肉??』
『まほはね〜、廉の、アイツの......になることだよ。』
「あら、真穂ちゃん。ジョンと何話してたの??」
『ひ〜み〜つっ』
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