「涼、アイツ目ぇ覚ました?」

またもやの中から声がした。

何処かで聞いたぶっきらぼうな声。

そして現れたのは涼とは真逆の色・黒い服を着た翔だ。



「しょ……翔!!!!??」

「目ぇ覚ましたみたいだな。」

私が叫ぶと、ウルサいとでも言いたそうに片方の耳を塞ぐ。

「なんで翔が…?
って、ここ夢の中だもん。翔がいてもおかしくないよね。きっとまた睨まれたし、食堂で麻衣たちに豪快に転かされてたし…」

横を向いて自分に言い聞かせる。

「翔そんな事あったの?」

「…うるせぇ…」

そんな私の横で笑っている涼と少し赤くなった翔。

「…だから夢にまで出て来ちゃったんだよ。そうだ、きっとそうだよ…」


「言っとくがここは薫の夢ん中じゃねえぞ。」

自問自答していると、面倒くさそうに翔が答える。