気がつくと私はまた一面グレーの世界にいた。
目の前には白いもや。
……ここ何処……?
辺りを見回しても何もない。
手の中にはネコの鈴
また…事故の夢……?
「気がついたみたいだね。」
もやの中から一人の少年が現れた。
さっきの声の持ち主だ。
彼は白いYシャツに白い長ズボン姿。
少し伸びたショートヘアを揺らしてにっこりと笑っている。
…誰……?
「僕の名前は涼。大丈夫?立てる?」
涼はにっこりとしたままそう言って手を差し伸べる。
「あ…ありがと…」
私はその手につかまって立ち上がる。
涼は私より少し背が高い。
私も結構背が高い方だから、涼はかなり背が高いんだな。
「それにしてもさっきは危なかったね。僕らが気が付かなかったらあっちに連れてかれてたよ。君の持ってる鈴のお陰かな。」
……?何……?あっち?鈴??
「あの……」


