~親友という名の絆~

 チリンッ

あの聞き慣れた音がする






『抜け出したい?』

何処からか声がした。

「えっ!?」

『そこから抜け出したい?』


「……うん……」


私は声の主に答える。

すると灰色の空間の一部が切れ光が差し込む。

その光を浴びて黒い物体が動くスピードが遅くなる。



『手を伸ばせ。』


光の中から違う声がした。

聞いたことがあるような声。


『早く!!』


光の中に2つの人影が見える。


逆光で顔は分からないけど声からして男の子。

彼らは光の差し込む隙間に手をかけ、斜め下にいる私に向かってもう一方の手を伸ばす。


『早く!!』


私は言われるがまま手を伸ばす。


私の手を掴むと差し込む光が一段と強くなり、私は眩しくて目を閉じた。


それと同時に勢いよく引っ張られる感覚がした。