ぐらりと揺れる視界 しまったと思った時にはバランスを崩し、身体は傾いていた。 堕ちていく 墜ちていく 「翔ー!」 思い切り伸ばした手が 翔に触れた 気がした 掴むコトも出来なかった。 小さくなった彼の姿は水面に落ち、波に呑まれ消えた。 「翔!翔!」 少女は彼の名を呼び続ける。 でも、返ってくる言葉は ない うずくまる涼の髪は変わっていた。 悲しみの白に