テスト返しが終わり先生が教室から出て行く
それと同時に教室は賑やかになった。
みんなに転校を伝えるのはH.R.終了後
それを考えるとココに居ることがイヤになってくる。
気が付いたら私は教室を出てベランダに立っていた。
ベランダからは大きな桜の木が立つ丘が見える。
私はそれを眺めながら頬杖をついてため息を吐いた。
「どうした?なんか暗いけど…?」
「そう…かな?」
隣にはいつの間にか遥が来ていた。
遥は明るくて元気で、良く一緒にお喋りしてる。
「もしかして、さっきのテストヤバかったとか?
でもそれは違うか。幸、結構頭いいから。」
「そんな事ないよ。
あっ、でも遥よりはよかったかも♪」
私はイタズラっぽく笑ってみせる。
「なんかそれ酷!」
「冗談だって♪」
「分かってるって。」
遥も笑った。


