「…か……」

「…ウソなら……いいのにな………」


遥はゆっくり腕を抜いた。


「ごめん、遥。
…もう……時間みたい。
……逝かなきゃ……」

遥の目から涙が溢れる。

「…ごめんね…遥……」


「……」




「遥…ごめんね……約束…『プロになろう』って約束守れなくて…………
ずっと…言いたかった…」


「…覚えててくれたの……?」

俯いていた遥が顔を上げる。

「もちろん。大切な遥との約束だもん。」

にっこりと笑ってみせる。


でも、その笑顔はすぐに消えてしまった。



あの淡いオレンジの翼が現れた。