加奈子は口数が少ない、と言うより、無口だった。 逆に俺は、いつでも友達とワイワイしていたいタイプだった。 だから、加奈子といる時は、俺が一方的に喋りまくり、加奈子は相槌をうつだけだった。 「お前さ、相原さんと何であんな仲良いの?」 いつもつるんでいる友達からそう言われることもしばしばあった。 そんなとき俺はいつも適当に誤魔化していた。 加奈子のことを話すのは何故か抵抗があった。 俺は加奈子が好きだった。