初めて加奈子と出会ったのは、ある公園だった。 桜の綺麗な春のことだった。 「あの、大南高校の人ですよね?」 ある女が登校中の俺に声をかけてきた。 それが加奈子だったのだけれど、そのとき俺には同級生には見えなかった。 それだけ加奈子は大人びていた。 加奈子は家庭の事情か何かで最近引っ越してきたらしく、高校の場所がわからなかったらしい。 「じゃあ、遅刻しそうだし、一緒に行きますか。」 それが俺と加奈子の出会いだった。