加奈子の様子が違う。 そう思ったのはふとしたことだった。 何がどうだという訳ではなく、俺と話すときの喋り方とかがいつもと違うような気がした。 「加奈子風邪ひいてる?」 「…分かるの?」 あなたには分かっちゃうのねと加奈子は微笑んだ。 俺はなんとも言えないような気持ちになって、加奈子を抱き締めた。