――コンコン……ガラッ
「失礼しまーす」
保健室に着き、ノックして入るあたしたち。
二人とも手首を流しているのが不気味な感じ。
「どうしたの?」
「消毒液とガーゼ、あと包帯を貸してください」
海斗が保健の先生に言うと、手首を見せた。
驚いた先生は、すぐに手当てをしようとしてくれる。
「あと…こっちも」
海斗があたしの手首も先生に見せる。
「二人とも……何したの?」
正直、聞かれたくない質問…。
あたしが先生に言うのを躊躇っていると、海斗が説明してくれた。
「なんか…悩み事でもあるの?」
先生が再び、あたしたちに質問する。
今度は海斗も答えない。
手当てが終わると、あたしたちは教室に戻ろうとした。
「待って…」
そのあたしたちを心配したのか、先生があたしたちを呼び止める。