「ん…」 俺は彩に手を差し出す。 「ありがと…大輝が来るまででいいから…」 「ん……無理すんなよ?」 「うん…」 彩は俺の手を握ると俯いた。 俺は彩の手が震えているのに気付くと、手を握り返した。 本当は抱きしめてあげたい… でも、付き合ってないから抱きしめられない… そんな葛藤が俺の中にあった。 ただ、ずっとこのまま時間が止まればいいと思っていた。