愛してるのに愛せない



――――――――…


風呂から上がると彩が、切った後の髪の毛を処理して掃除していた。




「そこまでしなくていいよ?」

「いや…なんか掃除したくて…」




なんか掃除したくて…?




こいつ、絶対A型だ…!




「終わったぁっ」

「ん。サンキュ」



俺は彩に微笑みかけると、彩も「えへへ~っ」と笑った。






「んで、今日もギター?」



俺は彩に何をしに来たか聞く。

彩はギターに興味を持ったらしく、教えてもらうために毎日のように来ていた。




「うんっ!ちょっとずつ上手くなってきたからっ!」

「はは…最初は全然弾けなかったのにな?」

「最初だけだもんっ」



彩は顔を膨らませて拗ねた。


でも、彩はすぐに機嫌が良くなることを俺は知ってる。



俺はギターを取り出して、彩に渡す。