空色パレット

「おい、何やってんだ」


笹河があたしの腕をつかむ。

あたしは動かないで、目を閉じてつぶやいていた。


ごめんなさい…。


いくら笹河の為だとは言え、騙して…。


「ごめんなさい…」


早百合さんの気持ちにひどいことをしたんだ。

本当に好きなんだって、わかったはずなのに。


「蒼空ちゃん」


早百合さんは、あたしの頭を撫でた。

顔を上げて、見てみると早百合さんは笑っていた。


「ありがとう」


「ど…うして…?」


「蒼空ちゃんが素直に言いたいこと言ってくれたし。お友達…になれないかな?」


「え……な、なりますっ」


早百合さんに抱き着いて、また大声で泣いた。

やっぱり、早百合さんは優しくて強い人なんだ。