空色パレット

笹河が扉を開けて、キョロキョロと周りを見渡すと、あたしの腕をつかんでトイレから出た。


「じゃ、ちゃんとやれよ?」


「はい」


あたしは、ささっとおばさんの隣に向かった。

笹河も何事もなかったかのように、席に戻った。


「何かあった?」


「い、いえ…」


「そう?」


おばさんは、意味ありげに見てきた。

まさかトイレで笹河に襲われかけたなんて…言えない。