空色パレット

「もうちょっと色気のある声出せよ」


「うっ、うるさいなぁっ」


「どの口が言うのかなぁ?」


頬を引っ張られて、痛がるあたしの顔を見て笑う笹河。


ド、ドSっ!

痛いってば!


痛さに涙目になると、ようやく手を離した。

い…っったい。

頬をさすると、ジンジンと痛みだした。


「俺が先に出るから、早くついてこいよ」


「…はぁーい」


「お前、俺のことウザイって思ったな?」


「い、いいえ。そんなぁ」


心の声を聞かれた。

確かに、今…思ったことだけどさ。