空色パレット

ふふん。

あたしにケンカ売ろうだなんて、甘い甘い。


「お前な、目立つことすんなよ」


「笹河さんがいけないんじゃないですか。それより、ここ男子トイレ!?」


「俺が女子トイレに行ったらさすがにヤバイけどよ。お前は大丈夫だ」


最低っ。

あたしだって、そこそこモテるんだからね。
あんたなんかよりねっ。


「いいか。お前は助けたいんだろ?」


素直に頷いてみた。
笹河はホッとしたようにため息をついて、あたしの頭に手を置いた。


「なら、俺の言うこと聞けよ?じゃなきゃ、助けられねぇからな。俺もおとなしくしてねぇと危ないからな」


「危ないって?」


「ここは、俺達の組と他の組のシマで、半分ずつ護ってるけどな…俺達の組はあまり深入りするなって言われててよ…」


「どうして?」


半分ずつ護ってるんでしょ?