空色パレット

原谷さんの店は、居酒屋だった。

まだ開いていなかったが、笹河は勝手に中へと入った。


…いいのかな。勝手に入っても。


「笹河さん、待ってたわ」


「すみません」


原谷さんと笹河は、色々と話し合っていた。


あたしは、ただボーッとお店の中を眺めていた。


「おい、蒼空」


「はい?」


「俺は客として、ここにいるけど…お前は、店員としていろよ?」


わかってますよ。


…ん?

え?


「じゃ、こいつ、こき使っていいですから」


あたしの肩をガシッとつかんで、原谷さんに言った。