空色パレット

離れても、くっついてくる笹河。

気持ち悪いってば!


「も、もう十分ですっ」


「バカなお前の為にやってんだから。ちゃんと覚えろよ」


「覚えました!」


「身体は覚えてない」


うなじに唇を押し当ててくる。


ぞくぞくっとして、急に力が抜けた。


床に座り込んでしまったあたしを見下ろしながら、笑いこける笹河。


「そんなによかった?」


「さ、最低っ!」


あたしの真っ赤な頬を指でつつきながら、まだ笑っていた。